ハンス・コパーとルーシー・リー

岩手県立美術館でハンス・コパーを楽しむ

2011年2月、岩手県立美術館で開催されたハンス・コパー展を見に行った。2009年3月に兵庫陶芸美術館から始まったハンス・コパー展の巡回も、ここ岩手県立美術館で最後。
ハンス・コパーは1920年、ドイツのザクセン州ケムニッツに生まれ、その後イギリスに渡る。師匠であり、作品制作のパートナーでもあったルーシー・リーとともに20世紀の陶芸界を代表するアーティストのひとりである。
作品展にはハンス・コパーの作品はもちろん、ルーシーの作品も展示されていた。
2010年に国立新美術館で開催したルーシー・リー展では、作品数は十分すぎるほどあり、もちろん展示会場も広かったのだが、あまりの来館者の数に落ち着いてみることもできなかったが、岩手県立美術館は残念なことではあるが来館者も少なく、自分のペースでゆっくりと作品を満喫できた。
ルーシーの作品展が皿やボウルなどテーブルウエアや、陶器のボタンなど「日常的に使用するモノ」が中心だったのに比べ、コパーの展示はテーブルウエアはもちろん、花器やなどが多く「鑑賞」に寄った作品が多かった。
実際に花を飾ったら、どんなふうに見えるんだろう。
もちろん、展示には作品だけが飾られているのだが、やはり花器は、花を飾ったときにどう見えるかだと思う。コパーの花器を素材に、例えばフラワーアーティストの東信が花を飾る。そんなパフォーマンスも、見てみたいものだ。
コパーの作品も、ルーシーの作品も、できれば毎日の生活に使ってみたい。そんな気を起こさせる。
ヨーロッパでは日常的に使われ、百貨店などでも販売されていたコパーやルーシーの作品。できれば毎日の生活で使ってみたい。そんな気をおこさせる。今でも、ヨーローッパの蚤の市とかでは、見つかることもあるんだろうか。


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ハンス・コパーとルーシー・リー

展示で最も気に入った作品のひとつ、それは、コパーがルーシーに贈ったツリーのオブジェ。作品の押す木の印を組み合あせて作ったオブジェは、手作りの風合いたっぷりで、完璧なプロポーション持つ作品とは違い、コパーのルーシーへの想いが感じられた。

もちろん図録を購入。ルーシー・リーの図録と見比べると、二人の共通点と違いがよくわかる。